《 サラ・パレツキー 》

Sara Paretsky

アイオワ州6月8日生まれ。

シカゴのアーバン・リサーチ・コーポレーション勤務、

フリーランスのビジネス・ライター、

CNA保険会社のダイレクトメール・マーケティングプログラムのマネージャーを経て、

1982年「サマータイム・ブルース」でデビュー。

日本でのデビューは'85年。

シカゴの女性探偵「V.I.ウォーショースキー」を主人公にしたシリーズは、

その分野の草分けとして知られる。

’88年シリーズ5作目の「ダウンタウン・シスター」で、

英国推理作家協会のシルバー・ダガー賞受賞。

男は強い男でありたいと願い、女はその強い男に憧れる。

と言うのは間違いではないが、それだけじゃない。女だって「強い女」に憧れるのだ。

『サラ・パレツキー』の生み出した「V.I.ウォーショースキー」(以下”ヴィク”と呼ぶ)は、

まさにその強い女を体現してくれている。

シカゴのおんぼろビルに事務所を構えていて、美人で頭が切れて、喧嘩っ早くて弁が立つ。

だって弁護士の資格も持ってるし、実際弁護士活動も探偵になる前はやっていたのだ。

国選弁護人って儲からない弁護士。

その頃に知り合った「リチャード・ヤーボロー」氏(彼も弁護士)と結婚するが1年ほどで離婚。

恋人はいるけど、今でもシングル。40歳を越えて彼女は今悩んでいる、色んな事で。

ヴィクは作品が出版される毎に年齢を重ねて行く。体力の衰えも感じている。

身につまされる…(笑)。

ヴィクに惚れてしまった私は、これ以降女性探偵ものにはまってしまう。

女性を主人公(探偵役)にした女性が書いたミステリーを選択して読むようになった。

ヴィクの他にも魅力的な主人公は沢山いる。

ミステリー史上で女性の探偵がいなかったわけではないが、

いつも何か物足りなさを感じていた私。

サラの成功が後に続く女性推理作家に力を与えてくれたお蔭で、

彼女達に出会う事ができたのだと思う。

『サラ・パレツキー』の作品を読む時、それは私にとって至福の時間だ。

ページをめくるのがもどかしいような惜しいような…。

その作品から見えてくる性差別や人種差別の実態は、改めて問題の深刻さを教えてくれる。

これはフィクションではなく、現実なのだと訴えている。

ミステリー仕立てではあるが、扱う事件は社会問題の場合が多い。

弱者に対する優しさがその視線にはある。

事件は一応の解決をみるが(小説なので当然ですね)、

問題が大きければ大きいほど、諸手を上げて「ヤッタネ!」と喜ぶ事はできないのだ。

傷ついた人の心は、修復に時間がかかるから。

(11/26/99)


BOOKs TOP