《 心の旅路 》

Random Harvest

1942年アメリカ映画。

出演:ロナルド・コールマン グリア・ガースン他

監督:マービン・ルロイ

戦争で心に傷を負い、記憶をなくした男は収容先の病院から脱け出し

終戦を祝う人々でにぎわう街なかで踊り子ポーラと運命的な出会いをする。

愛し合い、結婚した二人だったが事故で昔の記憶を取り戻した男は

記憶を喪失していた間の事を思い出せず、故郷に帰ってしまうのだが…。

古き良き時代(?)のハリウッド純愛映画。

フランス映画「かくも長き不在」をハリウッドでリメイク。

日本でも江守徹・佐久間良子主演でTVドラマ化された。

私が小学生の時だったと思う。

もちろんその頃は元の映画の事など知る由もなく、

運命に翻弄される二人に感情移入しながら(笑)観ていたのだと思う。

ある日深夜枠で放送されていたこの映画を観て、

それから日曜洋画劇場での淀川さんの解説を聞き、

「あ、あのドラマ!」と思い当たった次第。

元となったフランスの作品は悲劇的な結末を迎えるが

さすがハリウッド、ちゃんとハッピーエンドで締めてくれる。

日本のTVドラマはハリウッド版を下敷きにしたものだったと記憶する。

私がこの映画に惹かれるのはグリア・ガースンの美しさと

男の傍に居ながら胸に秘めた思いを告白せず、

相手が記憶を取り戻し、気付いてくれるのを待つという女の姿勢である。

ある日突然目の前から消えた男を探し出し(その間、子供も失くしている)、

名前を変え、わずかな希望を胸に男の秘書として働き始めるのだ。

記憶を喪失していた間の何かに未だ囚われている男と

その何かとは私なのよ!と言いたいけど言えない、いや言わない女。

私にはできないなぁ…と思ってしまうのだ。

これは昔のTVドラマ「大奥」でも使われた主題だった(古くて申し訳ない(^^;)。

その時も、「私にはできないなぁ…」と同じ感想を持った。

小学生だったから胸に秘めた思いとは、お菓子の事かなんかだったんだろう。。。

昔の白黒映画を観ていて驚くのは女優サン達の美しさと

とても今では魅力的とは言い難い男優陣との対比である。

もしかしたら私だけかも知れないけど

ハンフリー・ボガートしかり、クラーク・ゲーブルしかり、ゲーリー・クーパーしかり、

名前出したくもないジョン・ウェインしかり。

あの時代に青春を過ごした人達は、オヤジのような風貌のこれらの男優に

心ふるわせたのかな?

私の愛するましゃだって、何十年か先には

コテンパンに言われるのだろうか?(笑)

気にしないことにしよっ。

人の好みってホント、それぞれなんだから!

古い映画でお気に入りの作品にはもう一つある。

名作「風と共に去りぬ」のメアリー役をやったオリビア・デ・ハビランドの妹で

あのヒチコックの「レベッカ」でも主演したジョーン・フォンテーンの「忘れじの面影」である。

これも耐える女性を描いてた。

(私の記憶違いでなければ)

女を裏切った男の病床に届いた1通の手紙から物語は遡って語られて行く。

それは女の遺書でもあるのだが、決して男を責めるわけではない…。

どうも私は、自分にできない事をとても綺麗に、

そして小気味良くやり遂げてしまう女性の映画が好きみたい(笑)。

それは耐える事に限ったわけではなく、戦う女でも仕事のできる女でも同じである。

「エイリアン」だって「ワーキング・ガール」だって好きだしなぁ。

映画は現実逃避できる最も手っ取り早い手段だから、

そこに自分と異質なものを求めてあがいているのかも知れない。

そのあがきに皆さんはお付き合いして下さってるわけですね。

感謝。

(06/04/00)


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